【10月29日レポート】山と海のつながりを知ろう〜里山でプチ林業体験〜終了しました!

もくじ

「山のプロ」ってカッコいい。

山は身近な自然のひとつ。
でも、私たちの暮らしに必要なのかな?
山がなくなったらどうなるんだろう?

実は、山は海も私たちの生活も支えてくれている!

そして、その山を守るのが「山のプロ」林業をお仕事にしている人たち。
林業というお仕事は「山を守る」ことで「海のため」「私たちの生活のため」にも活躍しているんだよ!

そんな林業の仕事をみんなで少しだけ体験してきました!

山を愛し自然を愛するきこりになろう!

もともと、自然が好きな方が参加してくれたようで、始まる前の時間も虫探しをしたり
(図鑑や虫かご持ってきてくれてありがとう!)

山の中を探検をしたり

みんな「自然と遊ぶ」ことの楽しさを知っている方ばかりでした!
そんな自然大好きなみんななので、山や自然についてより深く知ることで、もっともっと自然が好きになるんじゃないかな、と始まる前からみんなの様子を見ていてワクワクしました。

SDGs先進国のフィンランド。
なぜフィンランドのSDGsがすすんでいるのかな?

それは自然が身近にあり、自然とともに遊び、自然とともに生きることがあたりまえだから。
子どもの頃からそんな環境で育ち、自然を愛しているから。
だから、自然や地球環境を大切にするのなんてあたりまえ。
地球環境が豊かだから生きていける、そんなことを普段の生活から、遊びの中から勝手に学んでいく。
それって、環境のことについて必死に勉強するよりもよっぱど大事だって思います。
私も日々、本を読んだり、検索したり…でも、やっぱり百聞は一見にしかず。
自然と触れ合ったときが一番五感を刺激されて、心も頭も揺さぶられます!

そんなことを自然の中で感じながら
今回の体験がみなさんにとって、そんなフィンランドのような体験になるといいなぁと願いながら、私もみなさんと一緒に体験を楽しみました。

【プチきこりレベル1】山のことをしり、海のことを思う

クイズに答えながら楽しく山について教えてもらいました。
ぜひ、みなさんもクイズに答えながら山について考えてみてください。

クイズ1:日本の森林保有率はどのくらい?

答え:70%
日本はスウェーデンと同率でフィンランドに次ぐ世界2位の森林保有国だそうです!
なんだか急に誇らしい気持ちになります。

ちなみに日本国内での森林率は
1位:高知県(83.8%)
2位:岐阜県(81.2%)
3位:長野県(78.8%)

上位3位の県は県内の80%が森林ってすごいですよね!

静岡は31位(63.9%)です。
たくさん山があるのでもっと上位かと思いましたが…
でも静岡の面積の半分以上は森林!

みんな一所懸命メモをとりながらきいていました。

クイズ2:森のやくわりは?

これは少しざわざわと考えている声が聞こえてきました。
「全部のような気もするけど…」
「①と②かな??」

答え:全部!

一生懸命答えを1つに絞ろうとしてくれていましたが、答えは全部です!
この3つは森(山)のもつ役割の一部です。

特に印象的なことは
「山は空気をキレイにしてくれる。」
「山の中の空気のきれいなところでは、寒い日でも息が白くならない。」
「なぜなら、息が白くなる要因は空気中のチリやほこり。だから空気がキレイな山の中では息が白くならない」そうです!

空気をきれいにする役割があるなんて知らなかったけど、
なんとなく山の中に行くと、空気が澄んでるな〜、いい空気だな〜と感じたのは、実際に森が空気をキレイにしていてくれたからなんですね!
それを知った上で山に行くと、空気の美味しさをますます感じられそうです。

また、山にはストレスホルモンを減らす機能もあり、普段林業の仕事で山の中で仕事をしている講師の方はストレスがまったくないそうです!

そして水。
森はたくさんの水を地中に溜め込むことができるそうです。
そのため、雨が降っても一気に流れ出すのではなく、地中に蓄え、水をきれいにして少しづつ流れ出す。
これが川となり、海へと繋がっています。
豊かな海のはじまりは、山にあるのです。

森は海の恋人・宮城県気仙沼の漁師さんが植林

50年以上前、高度成長期により工場や街の開発により工場排水・生活排水などの影響で全国的に赤潮問題が発生しました。
気仙沼は海苔や牡蠣漁が盛んでしたが、同じく赤潮の影響で身の部分が赤くなる「血牡蠣」というものが発生しました。
漁師さんたちは水質の問題に目を向け、牡蠣のえさとなる植物性プランクトンは川からくること、
そしてその養分豊かな川は、山から来ることに気が付きました。
「森の恵みが海と生き物を豊かにする」
そう思い、漁師さんたちは山に木を植え始めました。

山のすごいところついて簡単にまとめましたので下記に紹介します。
ぜひ読んで、知って、もっと好きになってくれると嬉しいです。

知ってみよう山のすごいところ

・生物多様性を守る

山はたくさんの動物や植物、虫などが暮らす場所です。小さな虫も名もなき花も生態系の一部。山を守ることは、動物や植物を守り、未来につなぐことにつながります。

・地球を守る(空気をキレイにする)

木は温暖化の原因になる二酸化炭素を吸って、私たちが生きるのに必要な酸素を出してくれます。車1台が1年で出す二酸化炭素(約2300kg)を吸収するのに約160本の木が必要です。

・土を守る

木の根が土の中のに張りめぐらされていることで、雨が降っても山が簡単に崩れることはありません。砂場の砂山を想像しよう!水をかけると崩れていく。こんな風にならないのは木のおかげ。土砂災害を防いでいます。

・水をきれいにする

森の土はスポンジのようにたくさんの水をたくわえる。そして地中でキレイにして、ゆっくりと川に流れていきます。このように洪水や干ばつを防いでいます。

・豊かな資源として

木材、きのこ、山菜、燃料などの資源として私たちの暮らしを支えています。森を適切に管理すれば、森から取れる資源は半永久的に使うことができます。

・レクレーションとしして(心と身体を整える)

心と身体を癒やしてくれる作用があります。研究の結果としてストレスホルモンを減らし、免疫機能が上がることがわかっています。山を歩くことで、健康にもつながります。

【プチきこりレベル2】きこりの仕事を見て、しってみよう

山ってすごいですよね!
そっと私たちの暮らしを支え、まもってくれていたんですね!

クイズ3:この山の木の年齢は?何才?

これはなかなか難しいですよね。
太さも違うから、きっと1本1本年齢も違いそうだし…

でも、講師の方が言うにはだいたい全部一緒だそうです!
太い、細いはあっても同じ時期に植えられたものであるそうです。
しかも林業をしてると見た目だけでもだいたいの年齢がわかるそうです!

でも私たちはプロではないので見ただけじゃ…

木の年齢を調べるには、ご存じの方も多いと思いますが年輪を数えること。
そこで実際に切って年輪を見てみます!!

なんとプロなので狙ったところへ倒せるそうです!!
木を倒した後も「枝の処理などをするところまで僕たちの仕事なので指示があるまで近づかないように」など、講師の方の指示に従い少し離れたところで見守ります。

チェーンソーの音が山に響き渡り、みんなドキドキ。
そして

大迫力でした!!
実際目の前で木が倒れるところを見るなんてことは、なかなかないことなのでいい経験でした!
林業のプロすごい!
指示に従い木の処理まで見届けます。

そしてここに倒すよ〜の目印を置きましたが、木が思ったよりも短く届きませんでしたが、木の幹の延長線をたどると目印の竹の筒!!

それからみんなで木の実ひろい。

今回倒した木は杉だったので杉の実うを拾いました。

そして輪切りにしもらい、みんなで年輪をかぞえました。

意外と数えるのがむずかしい…
「30までは数えたんだけど…」
「最後のほうがぐちゃぐちゃってなってて…」
「40歳くらいかな…」
大人も子どもも必死です。

答えは講師の方に数えてもらい54歳と判明。
みんなレターにメモをします。


白っぽい部分が暖かい季節の成長分。
赤っぽい細い部分が寒い時期の分。
これで1年分になるそうです。
今回お借りした山の中の木は太いものも細いものも同じ年齢。
同じ54年でも、成長の過程でのびのびと太くおおきくなるもの、
狭い環境下で細いまま大きくなったもの、
木にも人生があり、切ったときにその木の人生がわかるそうです。

何歳までは手入れが行き届きのびのび大きくなれてたんだな、とか
何歳のときに外傷を負った、枝打ちをした、などもわかるそうです。

林業って奥が深い…

でも、空気を清浄にしてくれる作用があるのに、こんな風に切り倒していいんでしょうか?
森林伐採ではないのか?
これは林業をしていると言われることもあるそうですが、木を切るだけが林業の仕事ではないいんです。

下に林業について簡単に記述するので、もっと林業を知ってみよう!

知ってみようきこりの仕事

林業(Forestry)=人の手で森を作る仕事

  • 木を育て、森を作る
  • 育った木を切る(間伐:のびのびと育つよう適度なスペースの確保・主伐:資源としての活用)
  • 木を植える(約60年かけて育てる)

どのように森をいかし、次の世代に受け継いでいくか考え守っていくのが仕事。
つまり、今植えた木は次の世代のためであり、自分たちが使うために植えているわけではないんです。

未来の誰かのためになる仕事。素敵ですよね。
「ずっと先の未来の子どもたちまでキレイな地球を残したい」という想いで活動してる私は、この林業の仕事のスタイルがすごくグッときます。

ドイツでは、休日に家族や友達と森へ行くことが定番のようです。
日本でハイキングというと、山登り!登頂を目指す!のようなイメージがありますが、
ドイツでいうハイキングは緩やかな林道をお散歩するイメージだそうです。
疲れたときこそ森へ行き、休息する。
そんな風に日常的に森へ行くそうです。
そんなドイツなのでもちろん林業大国
森を守る仕事はみんなの憧れの職業のひとつだそうです。

参加者の方からかわいい質問があったのでここでご紹介。

どんな動物に会ったことがありますか?

たくさんの動物! 珍しい動物は、熊、モモンガ、冬眠中のヤマネにも会ったよ。 ヤマネに会うと良いことがあるとか!

【プチきこりレベル3】チェーンソーで輪切り体験

林業を知ってわくわく・ドキドキ!
みんなもチェーンソーで木を輪切りにしてみます!
小さな子もいるので、やれる範囲で楽しみました。

その後、講師の方にふわっふわの木屑を作ってもらいました!
切り方によって、ふわっふわになるようです

子どもたちに大人気で用意していた香り袋の袋では入り切らないほど。

消臭効果などもあるのでおうちで使ってみてくださいね。
我が家の子どもたちは、服をしまう引き出しに…
開け閉めするたびに木のいい香りがします。

【きこりの休憩】スウェーデントーチでマシュマロを焼いてたべよう!

そしておまちかねの焼きマシュマロタイム!
途中雨が降ってしまい心配しましたが、無事にこの時間までたどりつきました!
雨の影響もあり、用意していたスウェーデントーチになかなか火がつかず、参加者の方の暖かいヘルプで無事につきました!

スウェーデントーチは当日に切りだしたもの。
乾燥してないのにいいの??と思いましたが、木の中の油によって燃えるそうなので乾燥しなくていいそうです!
林業の合間に切った木をトーチにし、暖もとれるし、調理もできる。
とっても便利ですね!

マシュマロを上手に焼く子が多くてびっくりしました!
みんなとってもいい顔。山で食べるとおいしいよね!

最後はしっかりと消火しました。


山に感謝!そして海を守ろう!山のゴミ拾い。

すべてのプログラムを終え、最後は山に感謝。
みんなでゴミ拾いをしました。

ゴミはあまりたくさんはありませんでしたが、みなさんすごく一生懸命拾ってくれました!
ありがとうございました。
この活動場所の横にも沢が流れているので、ここで拾ったことで海への流出も防げました!

約45リットルのゴミを回収することができました!

あとがき

山の中での体験ということで、始終気持ちのいい時間がすごせました。
初めて知ることにわくわくすると同時に、改めて自然のすごさを感じました。
「自然大好き」がにじみ出ているみなさんと一緒に過ごす時間はとっても楽しかったです。
ありがとうございました。

持ち帰った輪切りの木は遊びに使ったり、綺麗にして鍋敷きにしたり?
どうしても乾燥すると割れてしまいますが、おうちでも楽しんでくださいね。


参加してくれた方からも、今回参加できなかった方からも「またやって欲しい」という声がきけて嬉しかったです。
また山での活動もできたらいいな、と思っています。
そして、海でも会いましょう!

今日の講師

今日の講師は
森を作り、守る「林業」を仕事とし、1年のほとんどを山ですごしている

廣木 一晴さんでした!

本職の林業の他に、今回のように木こり体験なども開催しています。
また、ビーチクリーンのスタッフとしても活躍中です。
木こり体験のこと、森や山の相談、山のこと知りたい〜など
見かけたら声をかけて見てくださいね。

Forestry life 廣木一晴

プチきこり体験後大きなおにぎりを食べて、次の山に行きました!
ありがとうございました!

Special Thanks【撮影サポート】

今回のレポートではスタッフが撮った写真のほかに、一目瞭然!とってもキレイな写真を使わせて頂いています。
カメラマンのおかむらゆみさんの撮影したものです。
海をまもろう。ホームページにもおかむらゆみさんの写真を使わせて頂いています。
「海をまもろう」。の想いに共感し、撮影という形でスキルサポートして頂いています。

日常の写真から特別な日まで、暖かく切り取ってくれます。
ご依頼はInstagramのDMから。

おかむらゆみ

スキルサポートとは?
「海をまもろう。」は運営も参加者も全てボランティアでなりたっています。
一緒にビーチクリーンしてくれたり、様々な形でのサポートをしてくれるみなさんとの出会いに感謝し、みんなで楽しくより良い未来のためにアクションを起こし続けて行きたいと思っています。

かっこいい大人プロジェクトとは

今回のイベントは「海をまもろう。」が立ち上げたかっこいい大人プロジェクト第2弾として開催しました。

現在次のイベントも企画中です。
決まり次第報告をします!

かっこいい大人プロジェクトって何??
って思われる方、多いと思います。

すごく想いのつまったプロジェクトで一言では難しいのですが・・・

子どもたちが大人になった時、どんな世界でも希望を持ってたくましく生きていける。
そんな子をみんなで育てていきたい。

そのために、今たくさんの大人の力を借りて、子どもたちにたくさんの経験をプレゼントしたい、そんなプロジェクトです。

↓詳しくはこちらをご参考ください。

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